昼、介護職。夜、デリヘル嬢。家田荘子

昼、介護職。夜、デリヘル嬢。家田荘子

昼、介護職。夜、デリヘル嬢。家田荘子

¥1,300

人間の、最後に残る欲望は何か?
 ―――僧侶であり作家、家田荘子の新境地。日本の貧困と煩悩を炙り出す。

商品カテゴリー: 商品タグ:
(表示は本体価格です)

〈Content〉

私は、何も答えられなかった。
寝たきりの男性に、生きる希望を他にどう与えてあげることができるだろうか。
目の前に生きる希望を失っている人がいたら、私は僧侶として何ができるだろうか。


「ここ(介護施設)は、死を待つ監獄。三畳くらいのお部屋が、その人の死ぬまでの生活の場所。寝たきりの人なら、一畳分のベッドの上がすべての生活の空間です。左にティッシュ、右にタオル、生活必需品が全部ベッドの上の頭の所にあるんです。生活の場なら、そこで性の営みも行われてもいいはずですよね。ただただ毎日を過ごさなきゃいけないベッド生活で、生きていて良かったっていうか、生きていることの幸せを感じてもらえるようにしたいと、私はお手伝いしているんです」  ――――――本書に登場する女性の言葉より

家田荘子が、3年にわたって、介護職とデリヘル嬢のダブルワークをする女性たちを全国各地で取材、
自らのヘルパーの体験も。そこから見えた、この国の今、そして未来……。


「動かせないはずのお爺ちゃんの手が、私のお尻を触るために動き出す」
「デリヘルのお客さんより施設のお爺さんの方が、エロいんです」
「性欲って言葉自体が、施設では存在しないんです」
「認知症になった夫の性欲を、気持ち悪いって思う妻が多いです」
「淋しいお年寄りが多すぎる。性的介護産業が出てきても不思議ではない」
「政治家さんに言いたいですね。“私たちと同じ給料で、同じ仕事してみろ。この給料で生活できますか”って」
「夫には、飲みに行くと嘘をついて風俗の仕事に出かけます。バレないように頑張ってます」
「二つの仕事の共通点は“思いやり”ですね。ただ、思いやりに性のサービスがあるかないかです」

――――――最初に断っておくが、介護職の女性なら誰でもデリヘル嬢をしていると、言っているのではない。
ではなぜ、このようなタイトルの本を書いたかというと、介護の本当の現場を知ってもらいたいからだ。
昼間は介護の仕事をしながら、夜はデリヘル嬢をしなくてはならないという現実が、
なぜ一部の介護職員の間で起こっているのか。
それでもなぜ、彼女たちは介護職を続けているのか。
そして今、介護の現場で、利用者さんと介護士の間にどんなことが起こっているのか。
風俗を取材すると、今の日本の縮図が見えてくる。
本書によって一部や一面ではあるが、介護の世界と、今、日本で起こっていることを知ってもらいたい。 
                               ――――――家田荘子


【目次】
はじめに
【カサブランカ・グループ】長谷川華氏に訊く
case 01「デリヘルのお客さんより、施設のお爺さんの方がエロいんです」
case 02 「独居の男性、佐藤さんの性欲」 
case 03「女性は、思考が蜂の巣の中のように、あっち行ったり、こっち行ったりできるから、一つのモノを見て百のことを考えられる」 
case 04「オムツ交換をしているときに、手は私のお尻を触っていました。でも本当はお尻じゃなくて、人のぬくもりを求めていたんです」
case 05「リハビリの仕事と風俗って、接し方は一緒やと思います。でも、性欲って言葉自体が、施設では存在しないのです」
case 06「お世話をさせてもらっている」――― 介護老人保健施設の一日  
case 07「母親に“お金ちょうだい”と言われるから、なおさら稼がなきゃ」―――― 外国人介護福祉士、ユウの秘密   
case 08「介護をするようになってからは、優しさを覚えた。それまでは私、本当に仕事とお金だけだったのに」  
case 09「夫には多分、バレない。絶対にバレない。罪悪感?……ありますよ」 
case 10「風俗って、お客さんの視線や会話から、私に対して何を求めているんだろうって気づかないと、いい接客ができない。介護も一緒です」 
あとがき


【著者プロフィール】
家田荘子(いえだしょうこ)
作家・高野山真言宗僧侶(高野山本山布教師・大僧都)
日本大学芸術学部放送学科卒業、高野山大学大学院修士課程修了。女優、OLなど十以上の職歴を経て作家になる。一九九一年、『私を抱いてそしてキスして―エイズ患者と過ごした一年の壮絶記録』で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。二〇〇七年、高野山大学にて伝法灌頂(でんぽうかんじょう)を受け、僧侶に。住職の資格を持つ。高野山の奥の院、または総本山金剛峯寺にて駐在(不定期)し、法話を行っている。
著作は『極道の妻たち』『歌舞伎町シノギの人々』『四国八十八ヵ所つなぎ遍路』など一三一作品。近著は『女性のための般若心経』(サンマーク出版)、『妻のいる男(ひと)の愛し方』(大和出版)、『少女犯罪』(ポプラ社)など。



8月2日(火)家田荘子先生×長谷川華氏トークイベント開催!
詳しくは↓
http://www.yaesu-book.co.jp/events/talk/9933/