非道とグローバリズム 新聞とテレビが絶対に言えない「宗教」と「戦争」の真実 中田 考×和田 秀樹

非道とグローバリズム 新聞とテレビが絶対に言えない「宗教」と「戦争」の真実 中田 考×和田 秀樹

非道とグローバリズム 新聞とテレビが絶対に言えない「宗教」と「戦争」の真実 中田 考×和田 秀樹

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なぜ、宗教は戦争を止められないのか?
ISは、日本にテロを仕掛けてくるのか?
そして第三次世界大戦は本当に起こるのか?

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〈Content〉

この世で一番巨大な宗教はイスラーム教でもキリスト教でもなく、資本主義が作りだした「拝金教」だった!?
異端のイスラーム政治学者・中田考と、気鋭の精神科医・和田秀樹とともに、
希望が目減りし、非道さを増していくこの国での生き方を考えよう!


日本のテレビ局は後藤健二さんが殺害される直前から、
彼が以前にシリアで自分を撮影したときの動画を持ち出し、
「何が起こっても責任は私自身にあります」という彼のメッセージを何度も放送しました。
一方、日本政府は「テロには屈しない」と言い続け、身代金請求に一切応じようとはせず、
彼らは無残にも殺害されました。
そして国民が怒りを募らせたところで、「ISのような非道国家と闘うために、
我々は軍事力を持った普通の国家にならなければならない」と、
安倍政権は安保法案可決への道へ進むきっかけをつかんだように感じます。 ——和田秀樹


Q【ISによる次の標的は日本だという危惧が高まっていますが、どうすればいいですか?】

▼中田「安倍政権が集団的自衛権を通してしまったことで実際に狙われるようにはなったと思いますが、
優先順位は低いでしょう。 危ないのはヨーロッパ、アメリカですよ。
そこに中国とロシアも入ってきた。これらの国は実際にISと戦っていますから。
日本はテロが国内のどこで起きるかなんていう無意味な予想をして国民の恐怖を煽るよりも、
むしろ年間3万人も自殺者がいる国であることをもっと危機に感じるべきです。
イスラーム教には自殺者も餓死者もいません。
資本主義がもたらした拝金教は短期的に見ると成功したように見えるけど、
いずれ全体が滅ぼされることになるのです。 通帳に記された数字上のお金なんて持っていたって、
何の役にも立たないわけです。全部幻想だし、麻薬のようなものです。」

▼和田「日本の方がはるかに若者が未来に希望を持っていない国なんです。小泉政権時の構造改革きっかけに、
経済的に勝てなかったヤツは人生の敗北者であり、それは自己責任だという風潮が蔓延しています。
その上、生活保護叩きもあり、飢え死にもかなりの数が出ている。
もはや、テロを心配している場合ではないでしょう。
人間というのは自由であればあるほど欲望が膨らみ続けます。とめどもなく金を欲しがるし、力を欲しがります。
国家の権力者が力を持った途端に暴走し始めるのもそのためです。共産主義が実質上機能しなくなった現代に、
何が「欲望の制御装置」として最も機能しているかと言えば、それはイスラーム教じゃないかと思うんです。
キリスト教も仏教も、資本主義の渦の中で、拝金教に巻き込まれてしまったので。」

●歴史学者の井沢元彦氏から、「正史は、勝者が自分の立場で綴ったものにすぎない」という話を聞き、
いたく感動した記憶があるが、現在、国際社会を論じる際にあまりに勝者の立場で論じることが
多いのではないだろうか?
たとえばフランスで130人がテロで死ぬと、その残虐性に先進国は怒り狂い、団結が高まるわけだが、
一回の空爆(もちろん、非戦闘員の市民だけでなく女子どもまで殺される)で
その何十倍もの人間が焼き殺されるという事実は無視される。
悪い奴ならどれだけ殺してもいいというのは、原爆を落としたときのアメリカのロジックであり、
ナチスの思想でもあった。
実際、グローバリズム(冷戦構造が崩壊してこの言葉がよく用いられるので、
実際は私が拝金教と読んでいるキャピタリズムである)は平気で人を殺している。
中田考氏によると、イスラームでは人を処刑する際もなるべく苦しまないように火あぶりでなく斬首にするそうだし、
寄進のパーティが年中開かれるため、飢え死にが出ないという。どちらが残酷かは考え直さないといけないだろう。
認知科学の世界では、ある考えに凝り固まり、別の可能性が考えられなくなることが、
認知的成熟度が低いだけでなく、うつ病など心の病になりやすい不適応思考だとしている。
本書で論じられることが100%正しい(イスラームの世界では神以外はみんな間違うと考えられているそうだ)と
いうつもりはない。ただ、別の角度から考えるヒントになれば幸甚この上ない。
本書は書かれている内容からテレビで取り上げられることはまずないだろうが、
少しでも別の考え方が出来る人が増えることが私たちの本意である。
                                  ——和田秀樹(まえがき より)

●私のたった一人の幼馴染、和田秀樹君は秀才ぞろいの灘校生の中でも際立った異能の人でした。 
東大理Ⅲに入るとアイドルプロデュースクラブという怪しげなサークルを立ち上げ、自主制作映画なども作り始めました。
私は一年留年し文Ⅲに入った後、イスラーム学科という日の当たらない文学部の中でも超マイナーな専攻に進学しました。
その後、私はエジプトに留学し、カイロ大学で博士号取得後、在サウディアラビア日本国大使館に勤務し、
帰国後も和田君とは自然と疎遠になっていました。
ところが思いもしなかった形で、また彼と縁ができることになりました。
2014年9月に、私がISに戦闘員を送り込むリクルーターだと疑われ、「私戦予備および陰謀罪」という
制定後一度も使われたことがない法律を犯した容疑で取り調べられ、マスコミでも大々的に報じられ、
ほとんど四面楚歌、孤立無援だった時に、和田君がブログで擁護の論陣を張ってくれたのでした。
和田君は、東京大学医学部で西欧近代科学の最先端を学び、アメリカで本場の精神分析を極め、その上、
実業界、芸術の分野でも輝かしい成功をおさめた、万能人の理想を体現するような西欧的知識人の典型です。
その和田君と30年ぶりに会った私は、アラブ、トルコ、イラン、アフガニスタン、マレーシア、
インドネシアなどの第三世界のイスラーム諸国でしか暮らしたことがない700年前のアラブの神学者の思想を
専門とする「時代遅れ」の古典文献学者ですが、自由の国フランスの正体、アメリカのグローバリゼーション、
日本の教育行政の問題、資本主義の本質などについては、ほとんど見方を同じくしていました。
それは驚きでもありましたが、日本人では口にする者がいなくとも、このように学問のディシプリンと経歴、
生きてきた世界において対照的な私たちの間で共有されている見解である以上、
それこそが本当の意味でのグローバルで普遍的な世界の知識人の常識である、と言うこともできると思います。
——中田考(あとがき より)


≪本書の内容≫
【序章● テロとは何か。日本はどれだけの危険に晒されているか。】
暴力行為自体はテロではない/通り魔的なテロは防ぎようがない⁉/アジアの混沌とイスラームベルト
テロは戦争への火種になるのか/日本へのテロ攻撃のリスクは? 他

【第1章● 直接手をかけずに人を殺せば、残酷さを引き受けずに済むけれど……。】
そもそも非道とは何なのか?/世界から「欲望の制御装置」が失われていく時代/非グローバリズムとナショナリズム/
イスラーム教徒は餓死しない!?/金と自由。非道な欲望を作り出すシステム/コマーシャリズムの目に見えない非道 他

【第2章● 「欲望の制御装置」として宗教はどこまで有効か?】
日本の民主主義はどこかおかしい?/イスラームの選挙はむしろ民主的?/指導者の欲望をコントロールするものは何か?/拝金主義を嫌うのは先人の大きな知恵だった/学歴は、本当はグローバルスタンダード/アラブの石油王はなぜ大金を使いまくるのか?/ホームパーティで妬みを解消し、天国へ!/相続税100%で初めてわかる⁉ 財産の使い方 他
【第3章● 中国、ロシア、アメリカ、トルコ……戦争を仕掛けるのはどこか?】
イスラームの死生観とジハード/イスラームのテロは世界大戦につながるか?/イスラームと中華圏の関係/世界からISに参加する人々の事情/タリバン勢力に擦り寄る中国/トルコ人が日本を好きな理由/ハラール認証は神への冒涜だった⁉/イスラーム教には「労働」という言葉はない/アメリカが日本を改宗できなかった理由 他
【第4章● 為政者が法を勝手に変えるほど愚かなことはない】
子孫に美田を残す発想はイスラームにはない!/イスラームが仏教や遺跡を破壊するのはなぜか?/法律とは何か? 憲法は何を縛っているのか?/改憲、安保改定、少子化。何が戦争を抑止するか/宗教学におけるイスラーム教の現状/イスラーム学科にイスラーム教徒がいない?/ 家族に帰属できない日本人と新興宗教 他
【第5章● イスラーム教、仏教、無宗教……何をもって「死」と考えるのか?】
イスラームの医療と死生観/精神医療と悪魔祓い、心の病気をどう捉えるか/イスラームの教えるパラレルワールド/自己責任論は人間の傲慢でしかない/最終的なイスラームの境地は、孤独死に耐えられるようになること

【PROFILE】
中田考(なかた・こう)
1960年生まれ。同志社大学客員教授。一神教学際研究センター客員フェロー。1983年、イスラーム入信。
ムスリム名は「ハサン」。東京大学イスラーム学科の一期生。東大大学院人文科学研究科修士課程修了。
カイロ大学大学院哲学科博士課程修了(哲学博士)。
クルアーン釈義免状取得、ハナフィー派法学修学免状取得、在サウジアラビア日本国大使館専門調査員、
山口大学教育学部助教授、同志社大学神学部教授、日本ムスリム協会理事などを歴任。
著書に『イスラーム 生と死と聖戦』(集英社新書)、『私はなぜイスラーム教徒になったのか』
『クルアーンを読む カリフとキリスト』(太田出版)、『イスラームのロジック』(講談社)、
『カリフ制再興――未完のプロジェクト、その歴史・理念・未来』(書肆心水)、
『イスラーム法とは何か?』(作品社)、『世界はこのままイスラーム化するのか』(幻冬舎新書)など多数。
監修書に『日亜対訳クルアーン』(作品社)などがある。
中田考氏

和田 秀樹(わだ・ひでき)
1960年大阪府生まれ。日本神経学会専門医、臨床心理士、日本精神分析学会認定精神療法医、
日本内科学会認定内科医、日本精神神経学会精神科専門医。東京大学医学部卒業後、
東京大学附属病院精神神経科助手、アメリカ・カールメニンガー精神医学校国際フェロー等を経て、
現在、国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、
和田秀樹こころと体のクリニック院長。
専門は老年精神医学、精神分析学、集団精神療法学。
1995年から1年間、週1回神戸の震災の被災者のグループ治療のボランティアを行う。
2011年から現在にいたるまで、福島県いわき市および広野町で、原発の廃炉作業や除染を行う職員の
メンタルケアのボランティアを続けている。
近著に『感情的にならない本』(新講社)、『医学部の大罪』(ディスカバー携書)などのほか、
『赤本の使い方』『数学は暗記だ!』『受験計画の立て方』(ともに小社)など受験参考書シリーズも大好評。
和田秀樹氏


撮影:中村太

中田氏×和田氏トークイベント、2月23日に開催決定!
詳しくは↓
http://bookman.co.jp/news/20160204/