新刊
憎まれて死ぬか、愛されて死ぬか。政治家 石原慎太郎の日々
石原慎太郎氏の死後、作家としての生涯に注目がいきがちだが、
本書は、都知事時代の石原氏の仕事を中心に丁寧に紐解き、
政治家 石原慎太郎とは何者だったのか?
にスポットをあてた貴重な一冊。
番記者だった著者だから知っている、あの発言の裏側。
石原さんのイメージは「右派」「保守派」「昭和の頑固親父」……
一般的にはそんなところだろうが、
そんなステレオタイプでは測れない奥深さがあった。
例えば「右派」でありながら、「左派」が支持しそうな
環境問題にも理解を示していたことは、
意外に受け止めていた人も多い。
石原慎太郎という人物は、精巧な面が刻まれた多様な光を放つ
「プリズム」のような存在だったのではないか。
さらに石原さんは生前、人生の引き際について
「死ぬまではやっぱり言いたいこと言って
やりたいことやって、人から憎まれて死にたい」
と述べる一方、別の機会では
「人に愛されて死にたい」とも語っていた。
「憎まれて」と「愛されて」……
これまた石原慎太郎というプリズムがなせる業なのかもしれない。
本書ではその多彩な光を感じていただけると思う。
――― 著者
「どうせみんな、
早く石原、死にゃいいと思ってるんだろうけど、
そうはいかねえぞ。
俺が死んだら、日本が退屈になるぜ!」
――― 石原慎太郎