新刊

つながりを、取り戻す。

つながりを、取り戻す。

アルコール依存症と性被害のトラウマから立ち直る。弱っているときこそ必要なもの。それが、「つながり」。

著者 福岡 雅樹
斉藤 章佳
竹内 達夫
ジャンル 健康・医療・介護
出版年月日 2023/12/05
ISBN 9784893089649
判型・ページ数 4-6・224ページ
定価 本体1,600円+税
在庫 在庫あり

この本に関するお問い合わせ・感想


~家族を壊したのは、母の意思ではなく、アルコール~

物心ついた頃から母親は一日中お酒を飲んでいた。
両親は毎晩ケンカをしていた。

家族がうまくいかないのは、
母親の酒のせいだと気が付いた福岡雅樹少年は、
学校から帰るたびに母から酒を取り上げ、シンクに流していった。

それでも母親は酒をやめられず壊れていく。
ある日少年は、母親から性的虐待を受けた。
まだ幼かった少年は、それが罪だとも知らずに母を受け入れた。
その後、両親は別居。
母は亡くなった。
母を奪ったアルコールが憎かった。
だけど少年は大人になり


自分も母と同じ病気になってしまう。
そこからどのようにアルコール依存症を克服し、現在に至るのか?

依存症を支援し続けるソーシャルワーカー・斉藤章佳と、
依存症の回復を模索し続ける医師・竹内達夫との
「語り」から見えてきた、

この冷たい日本を生きていくための処方箋!



「悪いのは母親ではなく、この液体なのだ。
 この液体が、母をモンスターにしてしまったのだと……
 その後しばらくして、両親は離婚しました」
―――福岡雅樹


「この疾病は決して〈自業自得〉でも、〈自己責任〉でもないのです。
 本当に嫌な言葉ですよ。最近流行の〈自己責任〉というのはね」
―――竹内達夫


「自己責任だと断罪する国というのは
 カミングアウトしにくいですし、助けを求めにくい世界です。
 それよりも〈回復責任論〉を大切にしたいと思っています。
 これは、依存症という病気になった責任は個人にはないけれど、
 そこから回復に取り組む責任はあるよ、という考え方です」
―――斉藤章佳



生まれて物心ついてからずっと、
自分が生きているのか、死んでいるのか、
わからない状態が続いているということが、
酒をやめてわかりました。

意思をもって行動することが生きるということなんだと。
――――福岡雅樹



賞味期限切れのミックスサンド──プロローグにかえて 斉藤章佳

Ⅰ 母のこと、父のこと

Ⅱ 自分自身のこと

Ⅲ 回復とは何か?

 回復は、足、耳、口。そして手から
 あなたの弱さが、私たちの強さになる
 回復は競うものではない
 つながりを、取り戻す
 必要不可欠な出会い
 ユングでさえ失敗した依存症治療
 「アル中」という言葉をこの世からなくしたい!
 閉じ込めても、依存症は治らない
 遺伝要因と、環境要因
 「やめつづけている」人の共通点
 飲酒リスクの高い女性
 コロナ禍で酒量が増えていく
 依存症リテラシーを持つということ
 依存症は、自己責任か?


手紙──福岡雅樹より
竹内達夫先生へ
斉藤章佳先生へ
太郎へ

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