東京脱出論
「デフレの正体」「里山資本主義」の著者、
地域エコノミストの藻谷浩介と
島根県邑南町のスーパー公務員、
寺本英仁が語る
アフターコロナを幸福に暮らすための
「場所」「仕事」「生き方」論
高い家賃、狭い家、通勤ラッシュ、南海トラフ地震、
コロナのリスク、リストラ、孤独、無駄なマウンティング
…それでも都市に住み続ける意味とは何か。
今、 田舎のほうが、暮らしに誇りが持てる世の中だ。僕は「地方の誇り=ビレッジプライド」だと考えている。これからは、消費に以前ほどの幸せは感じない時代が来るという。それよりも、働くことによって、自分の存在価値を示し、「ビレッジプライド」を自分の心の中に醸成していく時代に変化していっている。そして今こそ、人と人との交流や物流を支えるための「社会資本力」が必要な時期だと思う。地方には、都市部にはない繋がりが従来から残されている。この繋がりこそ、尊い地方の財産だ。―――寺本英仁
「コロナで日本が変わる」というが、本当だろうか。そうではないだろう。新型コロナウイルスが改めて教えてくれるのは、日本がどうにもこうにも「変わろうとしない社会」であるということだ。「日本が変わる」と他人ごとのように言っていないで、この機会に「自分を変える」というところに踏み出さないと、結局何も変わらないし、変えられない。日本が変わるのを待っているのではなく、先に「自分を変える」人が、日本人の中に1%だけでも出てくれば、その1%が、変われない日本を変えていく。―――藻谷浩介
第1章 ロックダウンで見えてきた、「都市」対「地方」
都道府県単位で考えると、間違える
日本はどこも医療崩壊はしていない
中国に厳しく、欧米に甘い日本人
人の恐怖は共同主観
ロックダウンに意味はあるのか?
本当に困っている人から助けていく
第2章 自給自足、物々交換、恩送り
―─これから生き残る町とは?
本当は田舎に行きたい東京人
地方が〝夕張化〟しないためには?
ふるさと納税と給付金
人口1万人の町だからできること
縦割り行政とエゴに走る民間企業
都会暮らしは、家賃の奴隷
インバウンドは復活するのか?
第3章 「東京にしかないもの」とは何ですか?
上京に憧れなくなった若者たち
会社に行く必要、ありますか?
それでも都会人にこだわる人のメンタリティ
地方移住時代のターニングポイントとは?
第4章 リミットは50代! 東京を脱出するために
間違いだらけの人生トレードオフ!?
人間の思い込みは100年続く
人は、畑と友人があれば生きていける
6回表でゲームオーバーにならないために
とりあえず、ちょっと田舎に住んでみる
エピローグ 藻谷浩介