新刊
死んだ動物の体の中で起こっていたこと
コロナ禍のステイホームで急増したペット需要。
ネット上に拡散される野生動物との触れ合い動画の数々。
容易く供給される「かわいい」「癒される」のその先に、病気や事故、そして決して避けられぬ「死」があることを、私たちはどのくらいちゃんと理解できているでしょうか。
ーー動物も生きている限り、死に至る。
それは、ごく自然の営みの中で起こることが大半ですが、ロードキルや誤飲、中毒、寄生虫やウイルスへの感染、栄養不足、虐待や飼育放棄といった、直接・間接的に人間が関わっていることもあります。
そのことに目を背けず、「かわいい」だけではない動物たちの現実を知るということ。
本書は、「死んだ動物を診る」病理学専門の獣医が、遺体と向き合う日々の中で学んだこと、感じたこと、最後の診断で聴いた動物たちからのラストメッセージを綴ったエッセイ。
起きた出来事をただ嘆くのではなく、たくさんの「生」につなぐために−−「命」への希望と責任を問う一冊です。
第1章 動物の死から学ぶ
獣医病理医は「過去」を見る/顕微鏡で見る宇宙/ペンギンも胃がん/アフリカゾウの体内に潜る/リスザルの連続死/「カンガルー病」ではなかった/謎の遺体の正体は
第2章 「この子は最期に苦しみましたか?」
「病理解剖してよかった」/動物のおくりびと/意図せぬ虐待/「よかれと思って」生肉を/ネコは外が幸せ?/危うい友情 ―ネコとゴールデンハムスター/「娯楽」にされる命
第3章 珍獣 〈エキゾチックアニマル〉 たち
腸閉塞のヒョウモントカゲモドキ/子どもを咬んだミーアキャット/「ミニ」や「マイクロ」でも……/ツシマヤマネコのロードキル/死を学ぶ子どもたち/病理解剖された動物たちは今も生きている
獣医病理医は「過去」を見る/顕微鏡で見る宇宙/ペンギンも胃がん/アフリカゾウの体内に潜る/リスザルの連続死/「カンガルー病」ではなかった/謎の遺体の正体は
第2章 「この子は最期に苦しみましたか?」
「病理解剖してよかった」/動物のおくりびと/意図せぬ虐待/「よかれと思って」生肉を/ネコは外が幸せ?/危うい友情 ―ネコとゴールデンハムスター/「娯楽」にされる命
第3章 珍獣 〈エキゾチックアニマル〉 たち
腸閉塞のヒョウモントカゲモドキ/子どもを咬んだミーアキャット/「ミニ」や「マイクロ」でも……/ツシマヤマネコのロードキル/死を学ぶ子どもたち/病理解剖された動物たちは今も生きている