村上祥子の電子レンジでらくらくパン作り
「電子レンジでパン作り」というだけでも、そんなことができるのかしらと驚く人は多いはず。しかも30秒で発酵、40分でできあがり、とは…。もともとは温め直しや解凍専用に使われていた電子レンジが、調理器具として発展してきたのは、利用者側の努力と研究のたまものだといわれている。電子レンジ料理の条件は、手軽で、時間がかからないこと。なおかつ従来の調理法で作ったものと同じくらいおいしくできれば、大成功というわけだ。本書の著者村上祥子さんは、電子レンジクッキングのパイオニアの1人。これまでもさまざまな電子レンジによる料理法を発表してきた。なかでもこのパン作りのノウハウは、画期的だ。思いついてから20年、パン生地作りに成功したのが6年前、さらに5年かけて改良した方法だという。材料は従来のパン作りに使うものとまったく同じ。なのに発酵に長い時間をかける必要も、生地をこねる必要もない。時間短縮、手間いらずという電子レンジのメリットを生かしきっている。前著『おうちでらくらく40分で焼きたてパン』で初めて発表したところ、問い合わせが殺到。本書では読者の疑問に答えつつ、フランスパンから食パン、ナン、デニッシュ、クロワッサン、ブリオッシュまで、さまざまなレシピを紹介している。 (栗原紀子)