Vol. 26 台湾便り2016



みなさん、こんにちは。
尼岡邦夫です。

今年もヒラメ・カレイ類の研究会が台湾であり、3月16日から台湾の南端近くにある墾丁 ( ケンチン ) 国立公園内の海洋公園博物館に来ています。滞在は4月末ごろまでを予定し、その間、ここから1時間半ほどの高雄市近くの東港 ( トンカン ) 魚市場でヒラメ類や深海魚を採集します。ここの市場はいつ来ても大変活気があり、底引き網で獲れたいろいろな深海魚が見られるので大好きなところです。この近くにあるカツリャオ魚市場は東港ほど大きくありませんが、今回ダルマガレイ類の新種が獲れました。昔は高知の御畳瀬魚市場や三重県の尾鷲魚市場は有名でした。しかし、残念ながら日本にはこのような深海魚が獲れる市場はもう残っていません。

第26回目は、この度台湾で新たに獲れた深海魚を紹介します。


東港魚市場の底引き船



2種のホテイエソ類

ホテイエソ類では、ホテイエソとシロヒゲホシエソの2種が獲れました。いずれも私の著書で紹介しているので、お手元にある方は該当ページを見てみてください ( 図1 ) 。


図1 『深海魚ってどんな魚』ページ見本 ( 左 : 上から3つ目にホテイエソを紹介 / 右 : シロヒゲホシエソを紹介 )


ホテイエソは、やさしい布袋さんのイメージとは違い、実は大変怖い顔をしています。最初に名前を付けた人が見た標本は腹いっぱい食っていて、布袋さんのようにお腹がパンパンに膨らんでいたのでしょう。ホテイエソは下顎から1本の長いヒゲが出て、その先端にピンク色の球が付き、さらにその先に1本の糸状突起があります。眼の下の大きな三角形の発光器も見事です ( 図2 ) 。
シロヒゲホシエソは名前の通り、白い長いヒゲが特徴です ( 図3 ) 。
ホテイエソ類の分類には、ヒゲの先端物の形がとても重要です。これがないと査定ができないことが多いです ( 図4 ) 。

図2 ホテイエソ


図3 シロヒゲホシエソ


図4 ヒゲの違い ( 左 : ホテイエソ / 右 : シロヒゲホシエソ )




コンニャクイワシ類

日本では珍しいコンニャクイワシ類も、ここではよくトロ箱の中で転がっています。コンニャクイワシ類は日本から7種ほど知られています。体は全体に黒く、特に頭は真っ黒です。今回獲れたのはアラメコンニャクイワシでした。鱗が大きいのが特徴です ( 図5 ) 。 図5 アラメコンニャクイワシ



台湾での調査はまだまだ続きます。
次回をご期待ください。
図5 アラメコンニャクイワシ


※出典
『深海魚ってどんな魚』

シェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事